今回はTwitterのフォロワーさんの天鳳牌譜から、実戦に役立つ戦術をご紹介していきます。
今回のテーマは、結構苦手な人が多いイメージのある「仕掛けに対する対応」についてです。
今回の牌譜
今回の牌譜はコチラ。
場面は東4局0本場。
点棒状況は、以下の通り。
①上家(南家):49900点
②対面(親):21600点
③自身(西家):20400点
④下家(北家):8100点
トップ目は突き抜けており、自身は2着目と僅差の3着目です。
2着目の親とラス目の下家がそれぞれ役牌を仕掛けている、中盤。
自身は平和の2向聴で、ひょっこり両方の仕掛けに通っていないを持ってきました。
もちろん自身のアガリのためには全く不要なこの牌。
皆さんはどうしますか?
フォロワーさんは、ツモ切りしたそうなのですが、私なら選択は・・・
打!
はい、おりです。
なぜこの場面でおりた方がいいのか?
今回はこれについて解説したいと思います。
この局のテーマ
今回も、この局のテーマから考えてみましょう!
と、見せかけて。
今回は、点棒状況や座順、そして下家が仕掛けている事すら考慮に入れずに解説したいと思います。
なぜなら今回は状況的に、
・親と下家が放銃し合う分にはどちらも自分にメリットがある
・トップが突き抜けており、アガリのメリットより放銃のデメリットが大きくなりやすい
といった要素から、オリ優位な状況です。
しかし、これらを抜きにして、
「対親の仕掛け」という一点においてすら、このを切るのは非常に損
であるからです。
この点を確認するために、点棒状況は一旦忘れて東1局の点棒状況がフラットな状態と仮定して解説していきたいと思います。
親の手の評価
まずは親の手を評価していきましょう。
結論から言うと、親の聴牌率は50%くらいあると言っていいでしょう。
ここはみんな大好き、ゆうせー本からの引用をさせてもらいます。
速度レベル判断基準
・3~7が1枚余った→速度レベルB
・3~7が2枚余った→速度レベルA
・3~7が余るまで→速度レベルC「実戦でよく出る!読むだけで勝てる麻雀講義」p.118より引用
この速度判断基準に照らし合わせてみると、今回の親の捨て牌はと3~7が3枚余っています。
更に付け加えるなら、と
の塔子落としが2組入っています。
これは、相当手が整っていると読むべきです。
更に、今回はをポンしており、1面子と役が確定している状態です。
この親の捨て牌で、「聴牌確率が50%くらいある」という認識がなかった人は、まず他家の捨て牌から速度感を読む訓練をする必要があります。
自身の手の評価
続いて、自身の手についても評価していきましょう。
今回自身の手は平和の2向聴。
塔子は全て両面+フォロー牌があり、受け入れ枚数が多く8巡目の手としては形はそこそこです。
しかし、言ってしまえば形がいいだけの手です。
ドラは1枚もなく、余剰牌は全て親の仕掛けに対する危険牌。
打点がないのでリターンも少なく、とても親の50%くらい聴牌の手に向かっていく価値がある手とはいえません。
仕掛けに放銃する人が多い理由
さて、親の聴牌の確率が高く、自身の手にあまり価値がない。
この2つの要素だけで、を押す価値がない事はお分かりいただけたと思います。
言葉を選ばず言えば、この切りは「雑」な押し引きと言えます。
では、この牌譜を見てこんな打つわけないじゃん!と思った方はどれくらいいるでしょうか?
私が鳳凰卓で打っている体感ですが、このが止まる人は半分もいないような気がしています。
その理由はおそらく、「仕掛けはいつ聴牌したかわからないから」。
仮に、これが親の仕掛けではなく、リーチだったらどうでしょう。
無筋3枚押さないと聴牌しない平和のみの2向聴から、なんて押さない!という人が大多数だと思います。
しかし、リーチにはきちんとおりる人でも、仕掛けには雑に押す人は非常に多いです。
これはおそらく、聴牌です!と宣言してくれるリーチに対し、仕掛けはいつ聴牌したかわからないのでいつおりればいいかわからないからではないでしょうか。
しかし、いつ聴牌したかわからないという事は、裏を返せば「いつでも聴牌している可能性がある」ということです。
そして、これに対する押し引きは自身の手牌・読み・点棒状況といった複合的な判断が必要になります。
このため、仕掛けに対する押し引きは、この時はオリ!この時は押し!とパターン化するのが非常に難しい部分です。
では、どのように対応すればいいのでしょうか。
私のおススメは、
「聴牌の可能性の高い仕掛けに対して、価値のない手牌で放銃抽選を受けない」
これを徹底する事です。
今回のケースであれば、ドラなし2向聴の手から、ドラ跨ぎの牌での放銃抽選を受けること自体が損です。
程度の違いはありますが、リーチに無筋をばんばん切っている行為となんら変わらない、という事を認識することが重要です。
まとめ
今回牌譜を提供してくださったフォロワーさんは、こので5800を放銃したそうです。
それに対して本当にを切るのが正しかったか、問題提起をされていました。
このように、結果的に放銃に回ってしまったことから学ぶべき事は多いです。
「負けに不思議の負けなし」というやつですね。
今回のケースでは、「ドラなし2向聴から5800点を放銃する」という最悪の結果でした。
重要なのは、このような最悪の結果を今後なるべく起こさない事です。
もちろん不可避の放銃は存在しますが、回避できるかどうかを考えなくては、パターン化するのが難しい押し引きの上達には繋がりません。
皆さんも、このような「見合わない」放銃をしてしまった時は、後から見返してみてください。
今回のように、親の捨て牌が濃くて聴牌確率が50%以上ある上に自身の手に価値がない、というような、回避するべきパターンが見つかるはずです。
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