3/3に行われたMリーグ2018ファイナルシリーズの、ターニングポイントとなった一局をご紹介します。
本日のターニングポイントは、第1戦の東1局。
開局して早々亜樹選手はこの配牌。
ドラの七萬受けと赤があり、満貫を狙えて手形もいいチャンス手です。
7巡目にはテンパイ1番乗りを果たしました。
ここでの亜樹選手の選択は打一萬リーチ。
追いかけリーチの松本選手から七萬を打ち取り、裏も乗って満貫の出あがりとなりました。
ここから終始攻め続け、終わってみれば+73.2ptの大トップとなりました。
こんな手なりリーチのどこがターニングポイントなんだ!という声が聞こえてきそうです笑
このシーンを選んだ理由は、前日の第1戦にあります。
場面は東3局3本場、2着目で迎えた6巡目。
亜樹プロは役なし、ドラなしのこの手で、先制リーチせずダマに構えます。
更に次巡、赤五萬ツモ。
しかしここでも亜樹選手は九萬を切ってダマ続行。
このシーンからうかがえるのは、
①愚形リーチへの抵抗感
②攻め返されることの恐怖心
この2つが亜樹プロの中で強いのだろうな、ということです。
亜樹プロはレギュラーシーズンで抜群のラス回避率を誇りました。
24回中ラスはわずか3回。
しかしその一方でトップもわずか4回。
リスクをほとんど冒さない打ち筋で、ポイントを減らさない事に大きく貢献しました。
しかしファイナルステージが開幕し、今求められるのは
ポイントを減らさないことではなく、増やすことです。
それには当然トップを取ることが必要。
となれば、
目下トップ目である高宮選手の親番で、これ以上加点されないよう、どちらかの手で先制リーチを打つべきでしょう。
リスクを冒さなくてはトップは取れません。
初日の段階で、亜樹プロはかなり消極的に見えました。
さて、話は戻って2日目、1戦目の東1局です。
昨日の亜樹プロの打ち筋なら、八萬九萬を払って好形リーチを狙うだろうな、と思ってみていました。
しかし、亜樹プロはノータイムでペン七萬リーチ。
今日は戦ってトップを取る、という意思表示のようにも見えました。
結果はご存知の通り、満貫の出あがり。
その後も1日目とは打って変わって攻撃的な姿勢が目立った亜樹選手。
これも、開局早々積極的にリーチを打つことができ、更にアガリに結び付いたからこそでしょう。
この攻撃的な姿勢の答えは、亜樹プロの勝利者インタビューにありました。
「レギュラーシーズンでは守備的に打ったが、ファイナルステージでは攻撃的に行こうと意識している。ギアを3つくらい入れた笑」
可愛い笑顔とは裏腹に、攻撃的に行こうという意思が見えました。
連投となった第2戦では苦しい展開が続きラスとなったものの、
2戦合計で+22.2ptとしっかりチームに貢献しました。
この結果も、攻撃的な姿勢がもたらした結果と言えるでしょう。
レギュラーシーズンでは相手の攻撃を華麗な舞で避け続けた舞姫。
ファイナルステージでは戦う戦姫へとクラスチェンジを果たしたようです。
(当記事の対局画像は、AbemaTV 大和証券Mリーグ2018より引用しています)
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