2019/9/30。
いよいよ、ついに、とうとう、満を持して!
Mリーグ2019開幕!!
今年も気になった場面を抜粋して、観戦記を書いていこうと思います。
どうか半年間、よろしくお願いいたします!
さて、今回は開幕戦で見られた二人のぶつかり合いにスポットを当てていきたいと思います。
その二人とは・・・
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一人目はこの男、萩原聖人。
言わずと知れたTEAM雷電のスーパースターです。
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そしてもう一人はこの人、魚谷侑未。
こちらもファンの多い人気者。
Mリーガーの中でも絶大な人気を誇る二人ですが、もう一つ共通点が。
それは、昨季悔しい思いを味わったこと。
萩原選手所属のTEAM雷電は昨季7チーム中7位。
個人成績も-61.0ptと奮いませんでした。
魚谷選手所属のセガサミーフェニックスも、昨季7チーム中6位。
個人成績は-249.1ptと、大ブレーキの結果に。
つまり両者共に、今季にかける思いは並々ならぬものがあると予想されます。
そんな二人がぶつかり合った開幕戦での3局をご覧いただきたいと思います。
東1局
いよいよ開幕したMリーグ2019。
誰もが初アガリを決めたい開幕戦で先手を取ったのは・・・
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起家の萩原選手。
4巡目に早くも発を暗刻にして聴牌!
ドラはなく愚形ですが、親の先制聴牌でここはもちろん・・・
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ダマテン!
さて、開幕戦の観戦記でいきなりこんな事を書くのもはばかられるのですが・・・
あ り え な い
ところで、皆さんは麻雀の戦術書を読んだことはあるでしょうか。
最近は麻雀の研究も進み、色々な戦術書が出ています。
もし麻雀が強くなりたい人は一読してみてください!
と少し話はずれてしまいましたが、麻雀の戦術書。
これらにおいて、最近の研究で一つのセオリーとなった戦術があります。
それは、「先行愚形聴牌はリーチ打て!」というものです。
その理由は、単純にその方が圧倒的に得だから。
つまり、今回のような牌姿において、リーチをするとダマテンよりもかなり得する、という事です。
萩原選手がそれを知っていて敢えてダマテンにしたのか、それとも知らないのか。
どちらかはわかりませんが、かなり損な選択と言わざるを得ません。
これと対照的だったのが魚谷選手。
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同じような愚形ドラ1の聴牌で、迷わずリーチ!
この時点で萩原選手にダマテンが入っているのはわからないため、魚谷選手目線では先行リーチ。
セオリー通りの積極的な攻めです。
これを受けた萩原選手。
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通っていないと押した後、現物の
をツモ切りリーチ。
ここで追いかけるなら、の時点で追いかけリーチすればいいのではないでしょうか。
さて、東1局から熱いリーチ合戦となった開幕戦。
その勝者は・・・
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私が道中散々批判した萩原選手!
海底で魚谷選手から出あがり、リーチ発海底の7700。
見事Mリーグ2019の初アガリを決めました。
土下座してお詫び申し上げます<(_ _)><(_ _)>
東2局
大きなアガリを決め絶好のスタートを決めた萩原選手。
それに対し、手痛い放銃となった魚谷選手は東2局で反撃に出ます。
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3巡目にして早くも平和ドラ1の聴牌。
当然のようにリーチし、東1局の失点を挽回しに行きます。
3巡目の両面親リーチ。
これはもう魚谷選手のアガリだろうと思いきや。
そこに立ちはだかったのは、またも萩原選手でした。
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リーチに通っていないとプッシュし、現物の
を鳴いて
もプッシュ。
一通ドラ1、2000点の聴牌を入れ、親リーチに立ち向かいます。
東1局から引き続き、萩原選手と魚谷選手の対決となった東2局。
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ドラ3のこちらも勝負手、白鳥選手からが放たれ、萩原選手のアガリ。
親リーチに屈さず、強気に攻め返した萩原選手。
批判する余地などない、見事な一局でした。
第2ラウンドも萩原選手に軍配が上がり、魚谷選手は劣勢に立たされます。
東3局
二度あることは三度ある――。
この局もまた、萩原選手と魚谷選手の勝負となります。
分岐点は4巡目。
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二向聴のここからを切って、789の三色に狙いを定めます。
手役を好む萩原選手らしい一打ですが・・・いくらなんでも弱気すぎないでしょうか。
この手、789の三色には2枚はいらないですが、それ以上に
はもっといりません。
安全牌候補として持っているとしても、まだ4巡目で、雀頭のも安全牌候補です。
トップ目という事で安全に行きたかったのかもしれませんが、こういった効率を圧倒的に落とす守備的な打牌が多いのが萩原選手の弱みと言えます。
さて、2度萩原選手に競り負け、苦境の魚谷選手。
しかしこの局も強気な姿勢を見せます。
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ここから打。
筒子を一盃口含みの形に固定して打点を見つつ、索子の伸びにも対応する一打です。
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狙い通り索子が伸び、打。
ドラのを引いた時のためにドラ表示牌の
を残す、これもまた強気な一打です。
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しかし持ってきたのはドラのではなく、お隣さんの
。
ドラの受け入れはできたものの、嵌張ならツモ切りが普通かと思いきや・・・
魚谷選手の選択は打!
なんとここで二向聴に戻します。
聴牌した時にはほぼ満貫クラスになりますが、もう巡目は中盤。
それでも失点を取り戻すために最大限打点を見た、これまた強気な一打です。
魚谷選手と言えばスピード型のイメージがありますが、今年はこのような打点型の一打も見せてくれるようです!
さて、中盤に入りここまで静かにしていた小林選手、白鳥選手に鳴きが入ります。
4巡目にして形の整っていた萩原選手も一向聴。
ここで持ってきたのは・・・
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暗刻となる。
結果論ですが、4巡目にを切っていなければここで
の聴牌が入っていたはず。
この一手遅れが致命傷となるのが、トップレベルの戦いです。
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中盤にスピードを犠牲にして二向聴に戻した魚谷選手に、待望の聴牌。
待ちはドラののみと苦しいものの、ここでもリーチ。
昨季は全21選手中最低のリーチ率だった魚谷選手。
今季は強気にリーチリーチと攻めまくります。
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このリーチを受けて親の小林選手から放たれたのは・・・。
これまた結果論ですが、萩原選手が聴牌していれば、このでアガリでした。
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この後萩原選手も4枚目のをチーして片アガリながら聴牌。
しかし無情にも既に小林選手がを2枚切っており、アガリ牌は残り1枚。
最終盤までもつれたこの1局、アガったのは・・・
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魚谷選手でした。
強気な手順を踏んだ魚谷選手と、弱気の虫が出てしまった萩原選手。
その結果は魚谷選手の満貫ツモあがりとなりました。
更にこの後も魚谷選手はリーチで攻め続け、+72.3ptの大きなトップ!
終始強気な攻めを見せた魚谷選手が、開幕戦で見事な勝利をかざりました。
まとめ
さて、今回の記事で焦点を当てたかったのは、強気に攻めた魚谷選手と、弱気な選択の多かった萩原選手です。
特に萩原選手の選択には、かなり批判的に書かせてもらいました。
私はTEAM雷電の戦力分析でも、萩原選手を批判気味に書いています。
では、私はアンチ萩原なのかというと・・・
萩原選手はとても好きなのです笑
萩原選手の、「TEAM雷電も麻雀は面白いんです!」という雷電ポーズやファンサービスといった、Mリーグを盛り上げるための心意気には頭が下がります。
しかし、これらは全て卓外の事。
では、卓内に入ったプレイヤーとしての萩原選手はというと・・・
正直、微妙と言わざるを得ません。
私は、萩原選手はMリーグを盛り上げるためのキープレイヤーだと思っています。
知名度、サービス精神、プロ意識。
これらは他の選手と比べても群を抜いています。
しかしだからこそ、麻雀も強くあってほしい。
萩原選手の麻雀に共通しているのは、守備的すぎる事。
つまり弱気に見える選択が多いのです。
放銃を恐れて守備的に構えると、結果的に他家のアガリが発生し失点してしまうのが麻雀の怖い所。
今季は、そんな弱気を払しょくした萩原選手を見たいと、心から思うのです。
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