3/9に行われたMリーグ2018ファイナルシリーズ3日目の、ターニングポイントとなった一局をご紹介します。
また、今回はMリーグのルールについて問題提起を行いたいと思います。
3/9のターニングポイント
本日のターニングポイントは、第1戦の東1局。
いきなり事件が起こります。
手牌は前原選手、ドラドラのチャンス手で発をポンしています。
ここはもちろん打点アップ+ツモを1回増やすためにカン。
すると・・・
カンした発がモロノリ!
ドラ6の大チャンス手となります。
「チョーあがりたいやんこんなん」
前原選手がこう思ったかはわかりませんが、実況席も騒然。
いきなりの山場がやってきました。
ターツ選択となり、前原選手は9pのトイツ落としを選択・・・アレ?
ここで審判の張プロからアナウンスが。
「前原プロ、少牌になるため滝沢プロはそのまま続行してツモっていただき、前原プロはアガリ放棄となります」
前原プロもここで気づき、思わず「あっ・・・」と声を上げます。
そう、前原プロはリンシャン牌をツモるのを忘れて打牌してしまったのです。
痛恨のチョンボ、少牌。
更に前原プロの受難は続きます。
たろう選手がこの手牌でリーチ。
アガリ放棄の前原選手はオリるのみ。
現物の1pを切りますが・・・
これが親の白鳥選手に放銃。
チョンボの代償は大きなものとなりました。
結局この半荘、前原選手は-69.9ptのラス。
2戦目・3戦目は寿人選手・高宮選手が2着に食い込むものの、3日を終えてのトータル順位は4位。
麻雀格闘倶楽部は4チームの中で唯一トップのない苦しい展開となりました。
アガリ放棄はペナルティとして妥当か?
さて、痛恨のチョンボとなってしまった前原選手。
自分のミスなので自業自得と言えます。
しかし、私はこの「アガリ放棄」が本当にペナルティとして妥当なのか、疑問に思います。
今回のケースを、複数の視点から見てみましょう。
- ペナルティ対象(前原選手)
まずはチョンボをした前原選手。
アガリ放棄となり、この局への参加権を失いました。
更に今回は親満の放縦となり、十分すぎるペナルティを受けたと言えます。では、もし今回のように放銃せず、流局してしまったとしたらどうでしょう。
ノーテン罰符は払うことになりますが、今回のケースと比べると、
結果的に「お咎めなし」と言ってもいいようなペナルティとなります。つまり、ペナルティの内容がその後の展開によって左右される事になります。
- 同卓者(白鳥選手・たろう選手・滝沢選手)
この局であがった白鳥選手。
今回のペナルティの恩恵を唯一受けた人間と言えます。それに対して、たろう選手と滝沢選手。
結果的に親の白鳥選手にアガリが発生し、トップを取れる確率は下がりました。
更にたろう選手はリーチ棒も回収され、結果的に最も損した選手と言えます。つまり、ペナルティの恩恵を受けられるかどうかもその後の展開に左右されます。
- 視聴者
今回の件で、前原選手の次に損した人たちと言えます。
前原選手が放銃した瞬間、
「あーあ」
と白けた気持ちになった人も多いのではないでしょうか。視聴者は一人アガリ放棄となった局を見たいと思うでしょうか。
ルール違反をした人は必ずペナルティを受けるべきです。
更にそれに対して恩恵を受ける人がいるのであれば、それは公平にするべきでしょう。
提案したいルール
では、どのようなルールが適しているでしょうか。
私が提案したいルールは、
- チョンボがあった局はノーゲームとする
- 罰則はチームのポイントに対して与えられる
- チョンボの内容によって罰則のポイントを変える
というものです。
これなら、ペナルティは確実にチョンボをした人(チーム)に課せられます。
また、1人アガリ放棄となった歪んだ状態での試合も見なくて済みます。
ないとは思いますが、決定的なアガリを阻止するような悪質なチョンボも抑止できます。
(朝倉選手の錯チーの時に、このような議論がありました)
まとめ
今回の件については、色々な意見があると思います。
私の提案もあくまで一案であり、確実な正解ではないかもしれません。
ただ言えるのは、Mリーグにはまだまだ改善していく余地がある事。
Mリーグはまだ設立1年目。
どんどん改善点を考えていく必要があるでしょう。
特にルールについては、これから変わっていく部分も多いと思います。
そのルールが、視聴者が納得できるようなものになっていく事を望みます。
(当記事の対局画像は、AbemaTV 大和証券Mリーグ2018より引用しています)
コメント
本文拝見いたしました。Mリーグも普段から見ており、このコメントは記事に対するあくまで一個人の主張として受け取っていただければ幸いです。
提案されている内容ですが少し甘い部分があると思います。
端的には、チョンボをした人間(チーム)に対して確実に罰則を与えることを考える余り、競技性や公平性の観点が損なわれれてしまっている点が問題だと思います。
仮にチョンボについて内容毎に点数を変え、そのポイントをチームに対して直接付与することにした場合、重大な問題が発生することが容易に想像できます。
例えば、今後を例に取るならばファイナル終盤戦において1位2位のptが3位以下と大きく離れておりかつ上位二者間の差が僅差である場合を仮定し、どちらかが確定大三元等目に見えて高得点の手作りをしていることが明らかな場合に、他方のチームがペナルティを前提として意図的にチョンボをすることが考えられます。要は役満等を上がられる事によって生じる損失よりもチョンボによる損失のほうが少ないと判断できた場合にそうした行為を意図的に引き起こす可能性があります。(仮にこれがルールで定められた場合、こういった形の利用をするのは何ら問題では無いと思われます。)
また、チョンボの内容によって失点の度合いに差をつけるという事は、その内容によっては本当に誤ってチョンボをしてしまった場合に必要以上に大きな損害を受けることにも繋がりかねません。(現時点までで少牌が2回、錯チーが1回でしょうか。)人がプレイするゲームである以上、ミスは避けられないものであり、そのミスにある種偶発的な要素を含むルールを導入することもまた危険な要素足りうると思います。
今回の記事は興味深く拝見させて頂きましたし、gotapooh様のアンチとか言うわけではありませんので、ご提示されたルールと私のコメントに関して意見交換できれば幸いです。
mb様
コメント・ご意見ありがとうございます。
mb様のご意見、興味深く拝見させていただきました。
私なりの考えを述べさせていただきたいと思います。
>例えば、今後を例に取るならばファイナル終盤戦において1位2位のptが3位以下と大きく離れておりかつ上位二者間の差が僅差である場合を仮定し、どちらかが確定大三元等目に見えて高得点の手作りをしていることが明らかな場合に、他方のチームがペナルティを前提として意図的にチョンボをすることが考えられます。要は役満等を上がられる事によって生じる損失よりもチョンボによる損失のほうが少ないと判断できた場合にそうした行為を意図的に引き起こす可能性があります。(仮にこれがルールで定められた場合、こういった形の利用をするのは何ら問題では無いと思われます。)
→おっしゃる通りだと思います。
私もサッカーのインテンショナルファウルのような、ペナルティが状況的に見合うから故意にチョンボする、という状況は見たくありません。
しかし、この点については、ルールに捕捉事項を付け加えることで救えるのではないかと考えています。
例えば、
「故意に他チームの有利的状況を無効化するチョンボ、もしくは状況的に見て故意と捉えられるチョンボについては、チームに-100ptのペナルティを与える」
というルールを追加するとどうでしょうか。
-100ptのペナルティを犯すに見合う状況はほぼないと思います。
また、現状のルールでも「故意のチョンボ」を裁けない点があると思っています。
例えば、錯チーについて。
錯チーのペナルティがアガリ放棄なのであれば、自分が既にベタオリをしている状況で上家からリーチが来た場合、手の内の危険牌2枚を晒して錯チーをして一発消しができることになってしまいます。
このようなケースを防ぐためにも、故意のチョンボについては厳しい罰則を設けるべきと考えています。
>また、チョンボの内容によって失点の度合いに差をつけるという事は、その内容によっては本当に誤ってチョンボをしてしまった場合に必要以上に大きな損害を受けることにも繋がりかねません。(現時点までで少牌が2回、錯チーが1回でしょうか。)人がプレイするゲームである以上、ミスは避けられないものであり、そのミスにある種偶発的な要素を含むルールを導入することもまた危険な要素足りうると思います。
→こちらについては、私は人為的ミスについてはペナルティを受けるべきだと考えています。
理由は、麻雀におけるチョンボは全て円滑なゲーム進行を阻害するからです。
視聴者も白けた気分になってしまうのではないでしょうか。
プロの競技である以上、「わざとではないのでお咎めなし」は甘いと考えています。
mb様のご意見、大変参考になりました。
このような意見交換からよりよいルールが生まれて、Mリーグに採用されるようないい循環となればMリーグの未来も明るい気がします!